目標に対するスタンスとその影響
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
仕事における活動には目標がつきものです。
目標に関わる認知に関する理論として「達成目標理論」があります。
今回は達成目標理論の説明を通して、目標に対する認知とその影響を整理します。
達成目標理論とは?
達成目標理論(Achievement goal theory)とは、目標の方向性によって、それを達成する動機や成果に影響が及ぶとする理論です。
達成目標理論では、目標を
- 熟達目標
- 遂行目標
の2種類に分類しています。
熟達目標志向
熟達目標志向は物事の習熟に関わる目標の指向性です。
熟達接近目標と熟達回避目標の2種類の指向性があります。
熟達接近目標志向
熟達接近目標志向(Mastery approach goal)は自己の能力を伸ばすことを目指した目標志向です。
こういった目標志向は内発的な動機にポジティブな影響があります。
クラスメソッドには「学習エンジン」という言葉がありますが、熟達接近目標志向の人は、学習エンジンをもっている人でしょう。
熟達回避目標志向
熟達回避目標志向(Mastery avoidance goal)は新しいことを覚えなくて済むように習熟を必要とする内容を避けるような目標志向です。
こういった目標志向は内発的な動機にネガティブな影響があります。
遂行目標志向
遂行目標志向は物事の成果に関わる目標の指向性です。
遂行接近目標と遂行回避目標の2種類の指向性があります。
遂行接近目標志向
遂行接近目標志向(Performance approach goal)は他者よりも優れたパフォーマンスを発揮し、外的な報酬を得ようとするような目標志向です。なお、ここでの「外的な報酬」は金銭のみではなく、承認・称賛なども含みます。
こういった目標志向を持っていると、成果にポジティブな影響があります。
遂行回避目標志向
遂行回避目標志向(Performance avoidance goal)は失敗による恥ずかしさ、評判の低下を回避するような目標志向です。
こういった目標志向を持っていると、成果にネガティブな影響があります。
目標に対する前向きさと後ろ向きさ
熟達にしろ遂行にしろ、目標に対する前向きさがあるとポジティブな影響があり、後ろ向きさがあるとネガティブな影響があります。
そのため、目標に対して後ろ向きな認知を持つ人たちに対してどのように支援をしていくかが重要になってきます。
回避的な目標志向の裏には
- 挑戦への躊躇
- 批判へのおそれ
- 失敗へのおそれ
などがありえます。これらはいわゆる「私ならできる」という自己効力感の不足です。
少しずつでも前に進んでいけるように、挑戦の階段を少しずつ高くしながら成功体験を提供したり、日々の承認を通して自己効力感を高めるお手伝いをできるとよいでしょう。
まとめ
達成目標理論を元に、目標に対するスタンスとその影響について整理しました。
なお、現時点で回避傾向がある場合も悪いわけではありません。
人は変化可能です。成功体験を積み重ね少しずつ変化させていくことができます。
必要に応じて他者の助力を得ながら変化していきましょう。